任天堂2015年3月期決算質疑内容から今後の方向性を探る

任天堂2015年3月期決算質疑内容から今後の方向性を探る

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任天堂2015年3月期は好調だったが、今後はどうなる?

任天堂は4年ぶりの黒字でとりあえずは好調

先日行われた任天堂の2015年3月期の決算発表で、売上高5,497億円、当期純利益418億円と好調でした。円安が後押ししたこともありますが、発売した各ソフトやWii Uの販売好調と任天堂は説明しています。

ここのところ任天堂関連のニュースをよく目にしますが、今後任天堂はどのように展開していくのでしょうか?決算発表時の質疑応答で気になる部分をピックアップしてみました。

スマートデバイス向けゲームは年内予定だが、来期業績にはそれほど寄与しない

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任天堂 岩田社長は以下のように、

来期末までに5タイトル程度を順次出して、一つずつしっかりヒットに導いていこうと思っています。

いきなりゲーム専用機ビジネスよりも来期に大きくなるのかというと、それは見通しが甘いと思います

と回答されています。来期末ということは2017年3月末までに5タイトルですから、意外にたくさん予定されているな。と感じました。またスマートフォン向けにゲームタイトルを出したからと、簡単に利益が出るものではないときっちり認識されています。

今は全体の中で、「少数の、たくさんお金を払ってくださるお客様」を見つけて、そのお客様から「いかにたくさん払っていただくか」ということを研究され、それがうまくいったところが成功されていると思いますが、そのようにやっている限りは、世界に広がって、億単位のお客様に楽しんでいただいて、それが大きな結果につながり、長期にわたって続くとは思いません。

一般的には「狭く深くの方が、広く薄くよりもこれまでうまくいっていた」と言われていますので、私たちは「その中の条件の何を変えたらその壁を越えられるのか」ということを考えています。

上記の回答が今回の質疑応答で一番興味深い内容でした。私も過去に基本無料ゲーム内課金モデルについて、問題に感じていることを書きましたが(記事下にリンクありますので読んでいただけると嬉しいです)、任天堂もごく一部の重課金ユーザーに支えられているスマホゲームの現状は問題だと感じているようです。任天堂には良い解決方法を期待したいところ。

任天堂とDeNAやユニバーサルとの協業はどちらも相手から持ちかけられた話

DeNAとのスマートデバイス向けゲームでの協業や、ユニーバーサルとのテーマパーク事業など、立て続けにニュースとなりました。

昨年4月、私がアメリカへ出張した際にNBCUniversalのみなさんとお会いしたことがきっかけです。そこでテーマパーク事業の可能性についてご提案がありました。

DeNAさんに関して言えば、「モバゲーに任天堂のIPを貸してくれませんか」という話はずっと前にあり、その時はその話は成立していないわけですけれども、その後も何度もアプローチをくださいました。

どちらの話しも相手から持ち掛けられた案件が、交渉のすえ最近発表出来る段階になったということです。とはいえ今回の件のキッカケは、昨年任天堂が「自社IPを積極活用する」と発表したことが大きかったようです。やはり任天堂が持つマリオやゼルダ、ポケモン(版権は㈱ポケモン)は魅力的ですね。

任天堂は自社IPをただ貸すだけではなく、協力する相手をかなり慎重に吟味していることが伺えます。任天堂はかなり保守的ですね。

DeNAは本当に裏方で良いと思ってる?

任天堂とDeNAの協業でちょっと気になることがあります。

DeNAさんの守安CEOは「自分たちは黒衣でもいいんだ」「一緒にやれることに意味を感じる」ということを踏み込んでお話しされました

この話しは先日DeNAとの提携発表時にも岩田社長がおっしゃってましたが、その後DeNAの守安CEOは「そういったことを言ったか覚えていない」と発言されています。かなり以前よりDeNA側から任天堂へはアプローチしていたようで、任天堂を説得するためいろいろ好条件を言ってしまったとすれば、今後実際にゲームを運営する段階になって問題が発生するかもしれません。

任天堂とDeNAでは恐らくDeNAの方がヒット作に乏しく焦りがあり、任天堂はまだ幾分余裕がある状況ではないでしょうか。スマートデバイスゲームをじっくり育てたい任天堂と、他社の好調なソーシャルゲーム並に利益を出したいDeNAとで、上手く噛み合わない恐れがありそうです。

任天堂の様々な取組は家庭用ゲーム機への導線

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任天堂のスマートデバイスゲーム参入やテーマパーク事業を始めることで、従来の家庭用ゲーム機事業は縮小していくのではないか?と思われることへの任天堂のスタンス。

私たちにとって一番収益性の高いビジネスは自社のゲームソフトビジネスですので、そこに、お客様のアテンションが集まったり、認知をしていただいたり、親しみを感じていただけるようにするために、「ニンテンドーIPがどういう場所に出て行くと任天堂にとってプラスになるのか」、それも、「短期でなくて中長期、また、キャラクターやIPが消耗され・消費されるのではなく、価値が積み上がっていく方向にどうすればなるのか」

やはり家庭用ゲーム機ビジネスの収益性は捨てられないということでしょう。例えばテーマパークのゼルダエリアで楽しんだ人が、今度は家庭用ゲーム機のゼルダのゲームで遊ぶ。というようなゲームソフトへの導線になることを考えているのでしょう。

ここ数年、任天堂は元気のない時期が続いていました。こういった新たな取組をキッカケに完全復活して欲しいですね。

【関連記事】廃課金頼り基本無料アイテム課金(F2P)のビジネスモデルは異常 | More-interest.GAME

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コメント

  1. 名前 より:

    >来期末ということは2015年3月までに5タイトルですから
    来期末は2017年3月です…今は2015年5月です…

    • Ponta より:

      コメントありがとうございます。
      2014年度決算での来年度末なので2016年末と思い込んでましたが、たしかに2017年末ですね。。
      指摘ありがとうございます。早速修正します。
      今後ともよろしくお願いします。